
「もともとは、銀行の支店で法人営業をしていました。」
そう話すのは、栃木・埼玉・茨城・群馬エリアで再生可能エネルギー事業を展開する株式会社クリーンエナジー・ソリューションズの代表、大塚さん。
屋根を活用した太陽光発電事業を立ち上げ、3年目で契約施設数は100施設超え。目標50メガワット相当というスケールの大きな取り組みを進めている。
「エネルギーを地域に取り戻す」——共鳴から始まった協働
ただ、そのスタートはまったくの異業種である銀行員だった。
転機となったのは、ある若手経営者の交流会。名刺を交わした一人の人物が、のちに大きなキーパーソンとなる鈴木電機の鈴木さんだったという。
「名刺交換をして、特別長く話したわけではないんですが、印象には残っていて。当時は特に深い交流はなかったんです」
やがて、大塚さんは栃木銀行で地域の課題解決に取り組むワークショップを立ち上げ、那須塩原市の地域課題について話し合う場で鈴木さんと再び出会うことになる。
二人は地域課題解決に向けて話し合っていくなかで、お互いの考えや目指す未来を共有していった。
さらに地域課題解決の一つの手段として、栃木銀行グループが新たに立ち上げた再生可能エネルギー会社の中核メンバーに抜擢。この会社設立のアイデアは、地域課題解決に向けて鈴木さんからもらったヒントがもとになっている。
「最初は妄想という形でしたが、話していくうちに“この人となら一緒にやれる”と感じました。事業の本質に向き合う姿勢や、現場感覚に裏打ちされた言葉に信頼を感じたんです。」
地域内で再生エネルギー導入を進めるには、初期投資という一つのハードルがある。その解決策として鈴木社長が提案したのが「PPA(Power Purchase Agreement)モデル」。

「PPAという言葉も、鈴木さんに教えてもらいました。最初は正直よく分からなかったけれど、聞けば聞くほど理にかなっていて、これは僕たちが目指す地域循環の仕組みに合うモデルだと感じました。」
PPAモデルとは、再生可能エネルギー(主に太陽光発電)の電力購入契約のひとつ。事業者が無償で太陽光パネルなどの発電設備を設置し、電気の使用者が利用料を事業者へ支払う仕組みだ。

これまで地域外に出てしまっていたエネルギー料金を、地域内で循環させる。さらには、エネルギー自体も自分たちで生み出す。
エネルギーとお金の地域循環システムをつくる上で、PPAはこれ以上ない最適なモデルだった。
また一民間企業がPPA事業を始めるには、大きな資金力に加え、導入してもらうための信用力も必要になる。その点も、大塚さんが地域の金融機関にいることでクリアすることができた。
実際に銀行のネットワークや信用力を活かし、地域のさまざまな企業に導入することができている。

信頼できる現場力。鈴木社長の存在なくして成り立たなかった
再エネ事業では、設備設置の現場力が成否を大きく左右するそう。
特に大塚さんのクリーンエナジーソリューションでは、設置面積が広く、電力使用量が多い工場やスーパーマーケット、ドラッグストアなどが顧客の多くを占めている。
そのためPPAモデルのように顧客施設の屋根を利用する場合、騒音や工事時間、安全性、さらには必要な停電に伴う顧客との調整など、緻密な配慮が工事業者には求められるという。
「太陽光パネルの工事と一口に言っても、PPAの現場はまったく別物です。経験のある業者が少ないなかで、鈴木さんの会社はすでに実績を持っていたのが大きかったですね。」
「鈴木電機さんには安心して任せられる。この一言に尽きます。現場対応力、顧客とのコミュニケーション、そして何より“地域のために”という姿勢がある。鈴木さんがいなかったら、この規模では到底できていません。」

現場でのちょっとしたトラブルや調整ごとにも、鈴木社長は自ら足を運び、丁寧に対応してくれるそう。
「単なる業者ではなく、“一緒に事業を育ててくれるパートナー”だと思っています。」
こうして始まった再生エネルギー事業は、3年で104の施設と契約を締結。50メガワットの稼働を目指しているところだ。

「地域のエネルギーを地域で生む、という構図が少しずつ形になってきています。」
こうした大規模な展開が可能になったのも、「信頼できる仲間と一緒に進めてこられたからこそ」と大塚さん。
鈴木社長への信頼を熱く語ってくれる大塚さん。どういったことが、その信頼の裏には存在しているのでしょう?
「たとえば地域の森林をより良くする活動にも、鈴木社長はすごく熱心で。私利私欲で動いていないっていうのかな。本当に熱意を持って地域のためにどうすべきかを考えてくれる。そんな姿勢を見て、信頼できる人だと感じています」
「ビジネスの枠を超えて、“地域をより良くしたいという志”でつながっているんだと思います。この地域のために、やるべきことをやる。その一点で、信じ合って進んできた感覚です。」
地域を支えるインフラとしてのエネルギー。
それを地元の手で生み出し、地元に還元する。
契約や数値だけでは語れない関係性のもと、目の前の困難にひるまず、一歩ずつ共に進む。そんな二人の姿勢があるからこそ、地域に希望の光が灯り始めているのだと感じました。
写真提供:マニー様・株式会社クリーンエナジー・ソリューションズHPより